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タオと猫の庭

本のご馳走

くいしんぼうのわたしは、
未読の本があると、楽しみにとっておいてあとで…ということができません。
「ごちそう」というような本を四冊も友人から戴いて
一気に食べ終わって、まんぷくなわたしです。

どれもそれぞれに味わい深かったけれど
メインディッシュは「六花落々」

六花と言うのは雪の結晶のことです。


「長い人生には、さまざまな人物との様々な出会いがある。
だれとどう結びつくかによって
そこはほっとくつろげる場所になったり、あるいはりっぱな城になるかもしれない。
一方で、負に働き、芯たる自身を腐らせることにもなりかねない。
六花の形は人の縁と同じ……」
「互いに寄り合いもっとも具合のよい形を作る雪
ひとつの粒を、六つの粒で隙間なく囲む。 

六花落々(りっかふるふる)より




下総古河藩の貧しい下級武士の息子小松尚七は

「何故なに尚七」と言うあだ名を持っていた。

探求心をおさえられず、考え始めたら止まらなくなってしまうからだ。

雪の結晶を見ようと何時間もしゃがみ込む尚七に話しかけた

古河藩の重臣鷹見忠常(のちの泉石)は

尚七を藩主土井利位(としつら)の御学問相手に抜擢する。

身分を越えた藩主利位と用人の泉石、尚七、三人の心の交流は最後まで気持ちよかった。
by f-azumi | 2015-05-05 22:20 |
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四匹の猫と暮らしのこと