タオと猫の庭

読書 覚書

「トウシューズ」  ルーマ・ゴッデン
 
プリマを目指す、少女ロッテの物語
ペットショップから盗まれた子犬を自分のものにしてしまうシーンから始まり、
そのことがずっと尾を引き、ロッテに感情移入できないまま読んでいた。
その子犬は後半、思いがけない活躍をして
人々をまとめ、物語を結末へと導く。
バレエの世界、舞台に立つという晴れやかな気持ちをロッテを通して満喫できる。
この手の話につきものの、かわいいけど高慢ちきな女の子がライバルとして登場。

「悪いやつは眠らせない」 砂田弘
 
地上げ屋によって、家を追われた老夫婦。
立ち退きを最後までためらったのは
東京大空襲で死んだ五歳の娘がその地に眠っているから。

政治家と不動産屋の悪巧みにより、その場所に病院、そしてマンションが建つが、
亡霊を見たという人が続出し、経営者は不慮の事故やノイローゼに。
東都新聞の記者が事件の真相を調べるうち
空襲で死んだ女の子の霊だと判明、都市伝説として記事にする……

ささやかな幸福が「おかねともの」の亡者たちによって
壊されていく理不尽。
ものと金のとりこになって、人間として大切なものを見失う、
何でもお金で解決できると思っている、
そんな世の中に対する警告の物語でした。

「北極星を目ざして」キャサリン・パターソン

主人公のジップは、赤んぼうのときに馬車からころげ落ち
そのまま、孤児として救貧農場で育てられる。
吹き溜まりのような農場には、頭が足りないシェルダン、精神障害の発作を起こすパット
貧乏なやもめのウィルソン夫人と子どもたち…が暮らしている。

動物でも人間でも、ジップは根気よくやさしく世話をしてなつかせてしまう
才能を持っている。
特にあばれ者としてけもののように扱われていたパットが
ジップのおかげで、人間らしさを取り戻していくシーンは感動的。
 
自分が何者か知らなかったジップのもとに
怪しい男があらわれ、ジップのおいたちをほのめかす。

ジップの母親は南部の黒人奴隷で逃亡中に
追っ手から逃れるため、わざと赤ん坊のジップを馬車から落としたことがわかる。
ジップもまた、奴隷として追われる身となる。
いつ狂気の発作が起きるかわからないパットとともに逃げるジップ
かくまうのは、クエーカー教徒のルーク。

奴隷制があった時代の話だけれど
制度はなくなっても
貧困や差別により、現実の中にも似たようなことが起きている。

リンカーンのような、トップに立つ人が変革を起こさなければ
世の中は容易には変わらない。

ジップというのはジプシーから変じた名前ですが
猫が来る前に家にいた犬がジップだったので
思わず手に取った本でした。


 
 
 
[PR]
by f-azumi | 2015-02-21 20:44 |
<< クロちゃん登場 おでかけ。 >>


四匹の猫と暮らしのこと
以前の記事
お気に入りブログ
外部リンク
その他のジャンル